洛中庵 の日記
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冠攣縮性狭心症
2016.10.13
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寒露 次候 〈菊花開く・きくばなひらく〉
朝夕の冷気が増し、草花の葉先に結んだ露にも冷たさが感じられる頃。
さて、本日の業務終了後に、親しくしている同業のA君から電話がありました。
数日前、彼の治療院でマッサージを受けた50代の男性が、その翌日の夜に自宅で狭心症の発作を起こし救急病院へ搬送されたとの事でした。
その男性は、幸い二日間の入院で症状はすっかり治まったそうです。
「施術との直接的な因果関係は無かったものの大事に至らず本当にほっとした」、とA君。
三年前のこの日記にもこのような事例について少し書いています。
以下に、その一部を再掲します。
2013/05/18
本当に「ただの肩こり」ですか?
さて、女優の天海祐希さんが心筋梗塞を発症し入院加療されたという出来事があって以来(5月6日、東京芸術劇場で行われていた『おれのナポレオン』の舞台終了後に緊急入院されました)、洛中庵でも狭心症や心筋梗塞の話題がよくでるようになりました。
彼女の心筋梗塞は中高年の男性に多い動脈硬化(糖尿病・高血圧、高脂血症、喫煙が主たる因子)が原因で起こる心筋梗塞とは異なり、蓄積疲労や精神的ストレスにより自律神経に狂いが生じ、血流が悪くなった結果発症するタイプのものだと思われます。(冠攣縮性狭心症といいます)
ちょっと怖い話なのですが、私の経験上マッサージや鍼治療にお越しになる方の中には結構な割合でこのタイプの狭心症を起こしておられる方がおられます。
胸の違和感や痛みなら、心臓の異常を疑い易いのですが、肩こりや背中の痛み、腕のだるさ等が主症状の場合狭心症の可能性を考慮される方はほとんどありません。
私の経験で変わったところでは歯の痛みや耳の痛み、それに喉周りの凝り感を訴える方もありました。
注意が必要です。
(治療を受けようとされる方、治療者側共に…)
また、これらの症状は始めの内は一過性の場合が多く、医師の診察を受けても発見されないケースが多いのです。
対策は、充分に休養をとって心身の疲労を回復させ、上手に心身共にリラックスさせる事です。(自律神経のバランスを回復する)
中・長期的には、食生活を含む生活習慣の改善が重要です。
もちろん、正しく病状を把握した上での、上手なマッサージや鍼治療は治療効果が期待出来ます。
今の時期は脱水状態にならないように留意する事も大切です。
毎日忙しく活動されている方々にとって、天海祐希さんの今回の出来事は決して他人事ではありません。
お互いに体調維持には十分に留意していきましょう。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉