洛中庵 の日記
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長い間コレステロールを下げる薬を飲んでいる方は要注意です
2017.05.25
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コレステロール値を下げる薬であるスタチン剤(商品名はクレストール、リピトールなど)に筋肉を溶かす副作用「横紋筋融解症」があることはこの日記でも度々書いてきました。
今でも、この横紋筋融解症は洛中庵の普段の臨床でしばしば遭遇します。
このあいだも、こんな事がありました。
先月に初めてご来院のAさんは70代の女性。慢性の腰痛があり、整形外科や接骨院に何年も通っておられます。最近は朝起き上がるのも辛い事が増えてきたと訴えられました。
お体を拝見すると、右側の腰からお尻にかけての筋肉がごっそりと落ちています。
問診でスタチン系のコレステロール低下剤を18年以上飲み続けておられる事を聞いていたので、薬の副作用である横紋筋融解症(この場合はゆっくりと進行するタイプ)を強く疑いました。
一通りの施術のあと、Aさんに、「薬をもらっているかかりつけの医師に、腰の筋肉の痛みと、不自然に筋肉が痩せている部分を見せて、出来ればその部分を触ってもらって下さい」とお伝えしました。
昨日、Aさんから「かかりつけの医師の診察を受け、症状を伝えたら、コレステロールを低げる薬をしばらく止める事になった」と電話で報告がありました。
医師も横紋筋融解症を疑われたようです。
そもそもこの場合は、医師が薬の副作用の発生を十分に考慮し、定期的に血液検査をするなり、視診、触診を丁寧にしていればもっと早くに横紋筋融解症を発見できたと思います。
手技療法に携わる者の立場から最近いつも思うのは、受診者の体を見ない、触らない医師が増えてきたのではないかという事です。(パソコンの画面はよく見ておられますが…)
残念な事だと思っています。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉