洛中庵 の日記
-
今年の「イグ・ノーベル賞」
2015.09.19
-
手技療法家である私からすれば信じられないことなのですが、最近は臨床医であってもあまり触診をされない方がおられるようです。
これはどうしたことなのでしょうか?
触診どころか、もっぱら、各種検査データやら画像とにらめっこしてクライアントの顔さえしっかり見ようとしない医師が増えているそうです。
こうした事象は新聞、雑誌や医療関係のいろいろな記事にも度々取り上げられていますし、洛中庵にご来院頂いている複数の方々からもよく耳にします。
(つい先日もご来院のAさんが、そのような内容の事をぼやいておられました)
手から得られる情報は膨大ですし、診察の一手段という事の他にも、クライアントに与える安心感や信頼関係の構築にも触診は大変有意義な診察法だと思うのですが…。
さて、飛躍しかつ少々ズレた連想なのですが、触診に関連して先日(9月17日)のこの新聞記事が頭に浮かびました。
【ケンブリッジ=共同】ユーモアにあふれた科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が17日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれた。医学賞には、キスをすることで皮膚のアレルギー反応が低減すると実証した大阪府のクリニック院長、木俣肇さん(62)が選ばれた。 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は9年連続。木俣さんは都合があって式典を欠席したが、受賞は光栄だとした上で「人間が本来持っている自然治癒力ともいうべき豊かな感情を大いに利用して、アレルギー反応を減弱させてほしい」とのコメントを発表。会場に感謝のビデオメッセージを寄せた。 キスに関する別の研究を行ったスロバキアのチームが医学賞を共同受賞。 木俣さんは大阪府寝屋川市のアレルギー科クリニック院長。対象となった論文の実験では、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎を患う被験者それぞれ数十人に、恋人や配偶者と30分間キスをしてもらった。その結果、キスする前と比べ、ダニやスギ花粉に対する皮膚のアレルギー反応が大幅に抑えられたという。 このほか、ほとんどの哺乳類は体のサイズにかかわらず、排尿に要する時間が大差ないとする研究に物理学賞、ゆで卵の一部を生の状態に戻す研究に化学賞が贈られた。
(共同通信)
………………………………
日本人のイグ・ノーベル賞受賞は9年連続だとか。凄い事です。
快挙だと思います。本当に…。(昨年物理学賞を受賞した、床に置かれたバナナの皮は何故滑るのかを解明した研究(北里大学・馬渕清資氏ほか)も素晴らしい研究でした。笑)
寝屋川市の木俣先生、お忙しい日々の臨床の合間に大変ユニークで立派な研究をされました。木俣先生は、きっとクライアントとのコミュニケーションもしっかりとおとりだと思います。
記事の中の木俣先生のコメント、「人間が本来持っている自然治癒力ともいうべき豊かな感情を大いに利用して、アレルギー反応を減弱させてほしい」
アレルギー反応に限らず、全ての疾病の治療に向ける事が出来る言葉だと考えます。
触診とも関連性のある言葉だと思っています。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉