洛中庵 の日記
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本当に「寝違い」?
2015.12.04
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今日は冷たい北風が吹きました。
気温が乱高下しています。室内、衣服内の温度調整を上手にして下さいね。
さて、今週は頚の「寝違い」を訴えてお二人の方がご来院されました。
うち、お一人は、「昨日のゴルフのプレー中から感じていた頚の異和感が、朝起きたら強い痛みに変わっていた」との事でした。
拝見すると、頚の可動域制限があり特に前屈(頭を前に倒す事)がほとんど出来ない状態でした。
頚と右側の肩から腕にかけてのだるさと、軽い痺れ感も訴えられていました。
いくつかの徒手検査で頚部の椎間板ヘルニアを疑い、痛みを軽減する応急処置的な治療を施し、その日の内に脊柱外科の専門医がおられる病院を受診してもらいました。
専門医の検査の結果はやはり頚部椎間板ヘルニアでした。
専門医と相談して、病院での物理療法と洛中庵では鍼治療を受けていただく事となりました。
もうお一方は、「数日前の朝から、頚から肩にかけての強い痛みと左腕の重だるい感じが続いている」との事でした。
近所の整形外科を受診した際は、疲労による筋肉痛、寝違いと診断されたとの事。
じっくりとお身体を拝見すると、やはり頚部椎間板ヘルニアが疑われましたので、私が最も信頼する脊柱外科の専門医であるW先生のクリニック(30年ほど前に勤務していました)を受診してもらう事にしました。
結果はやはり、頚部椎間板ヘルニア…。
頚から肩、背中にかけて強い痛みのでる疾患は多数ありますが、働き盛り世代で「寝違い」と見誤り易い、最も頻度の高い疾患は頚部椎間板ヘルニアだと思います。
整形外科医やベテランの治療家でも誤診しやすい疾患です。白状しますと、私も過去に何度か見誤った事があります。
単なる寝違いと頚部椎間板ヘルニアとでは、当然対処の仕方、治療方法が異なります。
治療を受ける方、治療者側双方ともに慎重に見極める必要があります。
頚の強い痛み、肩・上肢に痺れ感・重だるさ等の神経症状がある場合は要注意です。
多くの場合私は、専門医の診察を仰ぎ、その診断の結果により治療の可否、内容を決めています。
因みに、頚部椎間板ヘルニアはよほど重症でない限り鍼治療の適応疾患です。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉