洛中庵 の日記
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本当に「ただの筋肉痛」?
2015.12.14
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一昨日(12月12日)の日記の続きです。
肩の痛みを訴えてご来院になったAさんの場合、痛みの原因は非常に高い確率でコレステロール低下剤の副作用による筋、筋膜の微細断裂だと考えられます。
確定診断は病院、医院での検査結果を待つ必要がありますが、私は経験上ほぼ間違いない自信があります。(過去に何度も同じようなケースで、病院・医院で検査を受けていただき同様の診断が下されています)
「コレステロール低下剤の服用が原因の「筋肉痛」は決して珍しい副作用ではない」、というのが私の実感です。
複数のお薬を服用されている方の発症リスクは当然高くなると考えられます。(特に複数のコレステロール低下剤を併用されている場合)
コレステロール低下剤を服用する場合は、本当に今飲まないと命の危険があるのか。まず、生活習慣の改善をはかってからでは遅いのか。医師としっかりと相談してからにしていただきたいと常々思っています。
こんなデータもあります。
総コレステロール値が220以上(平均で約270)の人ばかり5万人に、コレステロール低下剤を6年間使った実験(日本脂質介入試験=J-LIT)で、もっとも死亡率が低かったのは、220~260のグループでした。180未満に下がったグループの死亡率は、もっとも低かった220~260のグループのなんと、2・7倍でした。
また、がんによる死亡率が最低であったのは280以上のグループで、180未満に下がったグループはその5倍もの人ががんで亡くなっています(単位、㎎/dL)。
非常に考えさせられる結果です。
また、Aさんの場合もそうなのですが、女性は閉経後にエストロゲンの減少にともなって自然とコレステロール値が高くなってきます。けれども、女性は男性に比べ、心筋梗塞や脳梗塞の発症率は低いのです。
女性の場合、現在の基準値で異常とされる値、220を上回る人は60代では2人に1人となってしまいます(平成22年国民健康・栄養調査)。
それでは、その方々の内、本当にコレステロール低下剤をすぐに服用しなければならない人はどれ位おられるのでしょうか…?
慎重に検討しなければならない問題だと思っています。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉