洛中庵 の日記
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本当に「三角骨障害」による痛み?
2016.01.28
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Aさんは幼稚園の時から熱心にバレエを稽古されている女子高生。先日はおよそ半年ぶりのご来院でした。 昨年の夏に、「バレエで爪先立ちの姿勢をとった際に足首の後ろ側が痛い」と訴え三回ほど施術を受けに通われた時以来です。
先日のご来院は疲労回復のためのマッサージが目的でした。足首の後ろの痛みはあの時以来再発していないとの事でした。
ホッとしました…。
爪先立ちの状態で足首の後ろ側が痛くなるスポーツ障害の代表的なものは「三角骨障害」です。これは、足首の後ろにある骨片が足の関節部分で挟まって、炎症を起こし、その部分に鋭い痛みを生じる障害です。その他、足首の後ろの痛みを生じ「三角骨障害」との鑑別が必要な主なものとしては、「捻挫」「アキレス腱炎」「足部の屈筋腱の炎症」などがあります。
Aさんの場合は、洛中庵にご来院になる前に既に整形外科医院でのレントゲン検査により踵の骨(踵骨)とその上にある距骨の間に三角骨の存在が確認されていました。
整形外科医院の先生の診断と治療方針は「三角骨障害」で、注射で痛みがとれなければ手術するしかないというものだったそうです。
注射をしてもらったら数日間は痛みが和らいだけれども、また数日経つと同じように痛み出したとの事でした。
手術以外の方法で治す事が出来ないか模索されているご様子でした。
私は経験上、三角骨の存在イコール「三角骨障害」ではないと認識しています。
必ずしも三角骨があるから痛んだり、炎症を起こしたりするわけではないという事です。三角骨があっても無症状のケースもしばしば見受けられます。
痛みの出ている部位周辺の組織の強張りや癒着が原因で痛みが起こっているケースも何割かあります。
この場合は適切な手技療法で強張りや癒着を改善すれば症状は緩解します。
但し、"本物"の「三角骨障害」の場合は手術とその後の適切なリハビリテーションが必要なのは言うまでもありません。
Aさんの場合、足首の後ろの痛みの原因は足首の靭帯の強張りと癒着が原因だったようです。三回ほどの施術ですっかり症状が無くなりました。
三角骨障害と診断されても、安静や手技療法などの保存療法で症状が緩和したり、解消する場合もある事を知っておいて頂きたいと思います。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉