洛中庵 | 日記 | 「糞便移植療法」について思ったこと

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洛中庵 の日記

「糞便移植療法」について思ったこと

2016.02.11


以下は、昨夜の電子版の新聞記事。



■【医療最前線】あの安倍首相を悩ます難病・潰瘍性大腸炎の治療に光明が… 他人のうんち使う「糞便移植療法」で腸内環境をリセット!(2016/02/10 20:45)


 安倍晋三首相も悩ます難病の潰瘍性大腸炎に対して、健康な人の便を病気の人に移植する「糞便移植療法」の効果を探る臨床研究が行われている。治療効果を評価するには長期間の経過を見る必要があるが、研究を進めることで病気の原因解明やさらに進んだ治療法の開発につながる可能性があると期待されている。(平沢裕子)
健康な人の便を利用
 糞便移植療法は、健康な人の糞便を処理して、内視鏡やチューブで病気の人の腸内に腸内フローラ(腸内細菌の集団)を移植する治療法。オランダのアムステルダム大学が2013年、抗生剤の効かない「クロストリジウム・ディフィシル菌感染腸炎(CDI)」に対する高い有効性を報告し、注目を浴びた。
 人間の腸内には数百種類、数百兆個の細菌が住んでいて、健康維持に必要な代謝や、免疫の維持などに大きく関わっていることが分かってきている。
 腸内フローラは、多くの菌種が存在する多様性が保たれた状態が望ましいとされるが、潰瘍性大腸炎などの患者は特定の菌が異常に増えたり減ったりしてバランスが悪くなっているという。糞便移植は、腸内フローラを変化させることで病気を改善する新しい治療法になると考えられている。
 欧米諸国ではすでにCDIに対する通常の治療法として普及しており、高い改善効果を上げている。また、腸内細菌が関係するとみられる自己免疫疾患や糖尿病などの病気に対する臨床研究も始まっている。
腸内環境をリセット
 患者数の多い潰瘍性大腸炎の治療法としても注目を集め、国内外複数の医療機関で臨床研究が行われている。しかし、これまでのところ糞便移植単独では期待されるほどの効果は得られていないという。
 そこで、順天堂大は平成26年、抗生剤療法と併用した臨床研究を開始。3種類の抗生剤を2週間服用した後に糞便移植を行う=図参照。同大医学部消化器内科の石川大助教は「抗生剤で乱れた腸内環境をリセットし、その後に腸内細菌を移植した方がより定着しやすいと考えた。整地した土地に正しい建物を建てるイメージ」と説明する。
 研究は中等度から重症の患者が対象で、これまでに45人が参加。20歳以上で、血液や便の検査などでウイルスや細菌の感染症がない健常者を提供者とした。その結果、糞便移植単独の治療と比べ、高い症状改善効果が認められた。
 横浜市で飲食店を経営する浜田美栄子さん(55)=仮名=は10年前に潰瘍性大腸炎を発症した。複数の医療機関で薬物治療を受けて一時は症状が落ち着いたものの、昨年4月から再び悪化。腹痛と1日10回以上の下痢に悩まされた。
 同年9月、かかりつけ医の紹介で順天堂大医学部付属順天堂医院を受診し、糞便移植療法の臨床研究に参加。抗生剤を服用後、同年11月末にいとこの女性から提供された腸内フローラを移植した。2~3週間で便の回数が減り、1カ月後には1日3、4回に。腹痛からも解放された。浜田さんは「忙しい仕事もこなせるようになった」と笑顔をみせる。
原因菌の同定も
 ただ、潰瘍性大腸炎は一度症状が落ち着いた後に、再び悪化することも少なくない。実際に治療効果を評価するには、長期間の経過を見ていく必要があるという。
 石川助教は「現段階においてはあくまでも臨床研究レベルで、治療効果も定まったものではない」としたうえで、「移植前後の患者の腸内細菌を分析することで、病気を進行させる腸内細菌の種類や改善に関わる菌を同定できるかもしれない。カギとなる細菌の種類を特定できれば、さらに進んだ治療法を確立できる可能性がある」としている。

■潰瘍性大腸炎 大腸の粘膜が炎症を起こしてただれ、びらんや潰瘍ができる。難病情報センターによると、日本の患者数は約17万人。腸内細菌の関与や自己免疫反応の異常などが考えられているが原因は不明。安倍晋三首相が患者であることを告白している。
(産経デジタル)



記事の転載は以上。

この記事には、自然療法で潰瘍性大腸炎を含む自己免疫疾患や糖尿病(2型)の治療にあたり、成果をあげている者として非常に違和感を覚えました。


但し、私は糞便移植療法を完全に否定している訳ではありません。記事中にもある、抗生物質の効かない「クロストリジウム・ディフィシル菌感染腸炎(CDI)」の治療法としては効果的かつ妥当なものだと思っています。

けれども、潰瘍性大腸炎や2型糖尿病などに対しての応用には手放しで賛成することは出来ません。

潰瘍性大腸炎や2型糖尿病は食生活を中心に生活習慣を徹底的に改める事により大幅に改善する事が出来、また、根治も可能な疾患です。


この事は、ずいぶん以前より、それらの病気の治療において食事療法を重視、実践している医師や自然療法家達によって証明されています。現に洛中庵においても、何人もの方々が、食生活を中心とした生活習慣の改善によりこれらの疾患を克服されています。


一般的に潰瘍性大腸炎は原因不明の病気とされていますが、実は2型糖尿病同様、人本来の食性から外れた食生活が主たる原因で発症する生活習慣病だと考えられます。


発症は、人それぞれの体質や遺伝によっても大きく左右されますが、その本質は生活習慣病であるということです。



将来、糞便移植療法が潰瘍性大腸炎や2型糖尿病の治療法として確立され、広く実施されるようになったとしても、それはあくまでも応急的な治療法としての範囲に留まると考えます。根治を目指すならば、それらの疾患の本質が生活習慣病であるが故、食生活を中心とした生活習慣の徹底した改善が不可欠であるはずです。



記事中に、「潰瘍性大腸炎は一度症状が落ち着いた後に再び悪化することも少なくない。」とありますが、潰瘍性大腸炎を生活習慣病であると捉えれば自明の事です。


一度症状が落ち着いたとしても、発症前と同じ食生活やその他の生活習慣を続けていれば当然再発の可能性は高くなります。
(この事はガンも同じだと考えます。)


繰り返します。糞便移植療法の潰瘍性大腸炎や2型糖尿病への応用は、それらの疾患に対する応急の治療法とはなりえても、その後に食生活を中心とした生活習慣の徹底した改善がなされない限り、決して根治療法とはなり得ないと考えます。




「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」

医聖ヒポクラテスの格言を噛みしめたいと思います。














《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》














〈杉浦次郎〉

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