洛中庵 の日記
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過激な糖質制限ダイエットは命をも削ります
2016.09.17
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白露 末候〈つばめ去る〉
春さきにやってきた燕が、南の国へ次々に飛び去っていく頃。
〈落日の なかを燕の 帰るかな〉 蕪村
さて、今日ご来院のAさん、知人が全国的に有名な某ジムに入会し短期間に10㎏近くも減量したと、本当に羨ましそうにおっしゃいました。(Aさんは少しだけ太めのご婦人)
そのジムは、所謂「糖質制限食」を実践しながらのトレーニングを指導する事で有名なジムです。
大変危険なダイエット法だと思います。
Aさんにはそのダイエット法が危険な理由を簡単に説明しました。
以下はその内容です。
そのジムで指導している「糖質制限ダイエット」は、食事から糖質を極力制限し、そのかわりに、肉はいくら食べてもいいというダイエット法です。
このダイエット法をアメリカでは「アトキンス・ダイエット」といい、一時期大変なブームになりましたが、様々な欠点から今ではすっかりと廃れつつあるダイエット法です。このダイエット法の欠点は、肉食過多により血液がドロドロになり、動脈硬化の促進が見られる事。肉類の代謝の過程で腎臓や肝臓にも大きな負担をかける事です。
また、ハーバード大学の研究チームは、糖質制限をしっかりと実践する人ほど、心臓病のリスクや心臓病で死亡するリスクが高まる事を報告しています。
それだけではありません。厳しい糖質制限は血液中のブドウ糖の量を著しく低下させます。
この為、ブドウ糖だけを栄養素とする臓器が危機に晒されます。
肺の粘膜、眼球の水晶体、血管壁、神経臓器組織の内膜です。
厳しい糖質制限を長期間続けると、これらの臓器の栄養が不足し、最終的には肺気腫、白内障、神経痛を起こすリスクも高まります。
また、肉食過多による腸内環境の悪化も大きな問題です。
一時的に痩せる事が出来ても、長い目で見れば「命をも削ってしまう大変危険なダイエット」だと思います。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉