洛中庵 の日記
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睡眠不足だと鍼治療は効果がない?
2012.09.25
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今月二度目の連休明け、昨日(9月24日・月曜日)も多数の方々にご来院頂きました。
ありがとうございました。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、朝晩めっきり涼しくなりました。
やっと、過ごしやすい季節になりましたね。
けれども、今の時期の気温の変化は健康上要注意です。特に未明から明け方にかけての冷え込みは自律神経に大きな負担をかけ、風邪を始め様々な健康障害を引きおこしかねません。十分にご用心下さい。
さて、少し間があきましたが先日(2012/09/21)の日記〈鍼治療の効果を上げるには…〉の続きです。
「慢性的な睡眠不足が健康の大敵なのは間違いのないところです。また、鍼治療を受ける際はその効果を十分に上げる為にも睡眠はしっかりと取っておいて頂きたいと思っています。
けれども…、 」
と思わせ振りに終わっていましたが…
大した続きがある分けではありません。
(すみません…)
先日の日記で引用、ご紹介致しました本、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』の中の"睡眠不足は自律神経の大敵である" の項の中に次の一文があります。
「つまり、睡眠不足だとどんなに上手な鍼灸師の鍼治療を受けても効果はほとんど望めないということです」(112ページ5・6行)
この一文について私の考えを書きます。
睡眠不足は確かに鍼治療の効果を低下させますが、実際の臨床の場に於いては、その悪影響を弱め鍼治療の効果を上げる方法があり、実際に活用されている場合が多いのです。
最も一般的なのは、指圧・マッサージ等の手技療法を鍼治療の前に施し、受け手の副交感神経の働きを目覚めさせ、機能を促進させるという方法です。
洛中庵でもこの方法を多用しています。
上手な指圧やマッサージを受けると血流が良くなり、身体がポカポカ暖かくなります。気持ちが良くなりうとうと眠ってしまう場合もよくあります。この状態は副交感神経の働きが上がっている状態です。
この状態で鍼治療を施せば、睡眠不足の悪影響を軽減しながら鍼治療の効果をあげる事が可能になります。
その他、各種の温熱療法や音楽療法等も鍼治療の前や治療と並行して実施すれば、睡眠不足の場合でも治療の有効性が期待できます。
何かと忙しい現代人。睡眠不足で無い人を探す方が難しいように思います。
実際、洛中庵にお越しのクライアントの皆さんのほとんどは、どう観ても慢性的な睡眠不足。中には毎日の平均睡眠時間が3時間以下という猛者(?)もおられます。
そんなクライアントの皆さんに対する鍼治療で「睡眠不足だから効果はほとんど望めない」ではどうしょうもありません。
(鍼治療があまり効かない場合の言い訳にはなるかもしれませんが(笑)。それでは困りますね…)
指圧・マッサージ(洛中庵ではツボマッサージと呼んでいます)と鍼治療を併用すれば、たとえ睡眠不足であっても治療効果は十分に期待出来ます(勿論、睡眠が十分とれている状態が望ましいのですよ)。睡眠不足の方もどうか安心して鍼治療を受けて下さい。
とは言うものの何度も繰り返しますが、やはり「睡眠不足は自律神経の大敵(健康の大敵)です」。慢性的に睡眠不足の方は、睡眠時間をきちんととれるよう生活習慣の改善をお願い致します。
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉