洛中庵 | 日記 | 「スローな祇園祭の楽しみ方」

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洛中庵 の日記

「スローな祇園祭の楽しみ方」

2014.07.13

小暑 次候 〈蓮始めて開く〉


今日(7月13日)は日曜日、洛中庵の定休日です。

朝から来客が多く、なにやからと忙しい一日でした。


夕方、遠方からの来客があり会食後に少しだけでしたが夜の山鉾をご案内しました(写真)。実物をご覧になったのは初めてとの事でとても喜んでおられました。

良かったです。


さて、今年の祇園祭は49年ぶりに「後祭(あとまつり)」が復活します。(※洛中庵の町内の浄妙山は後祭)
7月24日の後祭山鉾巡行までの期間は山鉾町とその周辺では交通規制が敷かれます。
期間中にご来院の際はご注意下さい。



祇園祭といえば今日の新聞の電子版(産経デジタル)に大変興味深い記事がありました。


■【日曜に書く】論説委員・山上直子 スローな祇園祭を楽しもう(2014/07/13 03:04)
 今月初め、世界で最も影響力のある米旅行誌「トラベル+レジャー」の2014年世界人気都市ランキングで、京都市が初の1位を獲得した。アベノミクスの成長戦略で「観光立国」を掲げ、東京五輪・パラリンピック開催の2020年に訪日外国人客2千万人を目指す政府にとっては追い風だ。

 その京都で、夏の最大の観光資源ともいえる祇園祭が転機を迎えている。約半世紀ぶりに「後祭(あとまつり)」が復活、7月17日だけだった山鉾(やまほこ)巡行が24日にも行われるのだ。

 ◆半世紀ぶり復活の後祭

 祇園祭は1カ月にわたる夏祭りである。17日に八坂神社を出た神輿(みこし)が市中にとどまった後、24日にまた神社に還(かえ)る神事がメーンだ。これに対し神輿を迎え送るために出るのが山鉾で、かつては両日異なる山鉾が神輿に先立って都大路を巡行し、前半を「前祭(さきまつり)」、後半を「後祭」といった。

 ところが、観光振興や車社会の到来を理由に、昭和41年から巡行が一本化される。信仰に基づく伝統を変えることへの反発がある一方で、呉服商売が多かった地元では「やむをえない」との声も多かったそうだ。

 丸2週間、都市機能も商売も事実上の“休業”となっていたためで、経済発展のさなか、合理性を求めた当時の知恵であり、都会の祭りが変貌するのも時代の流れだったろう。

 祇園祭は、都市型という点に特徴がある。平安時代、疫病の流行に頭を悩ませた朝廷が、禁苑の神泉苑で「御霊会(ごりょうえ)」を行ったのが始まりだ。

 ◆畏れ敬い、神と遊ぶ

 高温多湿の盆地気候、人口密集地の京都で、最も恐れられたのが疫病だった。当時の人々は病や天災を非業の死を遂げた人物のたたりと考え、怨霊や疫神を鎮めるためにまつった。いわゆる御霊信仰である。

 神の乗る神輿の先触れとして行われるようになったのが、山鉾巡行だ。現在のような山鉾が登場したのは南北朝頃とされ、しだいに豪華な懸装品(けそうひん)(なかには重文の織物も)を飾るようになる。その風情は「山鉾風流(ふりゅう)」と呼ばれた。趣向を凝らした作り物や仮装を伴う芸能をさし、いわば都の審美眼のなかで練り上げられていった美意識である。現在も山鉾が「動く美術館」と呼ばれるゆえんだ。

 山鉾町に生まれ育った仏文学者の杉本秀太郎氏は、「祇園祭は神遊びだ」という。「ヒトがカミになって遊ぶこと、いやもう少し正確にいえば、ヒトがカミになるその推移を、ヒトがみずから遊ぶことだ、と思っている」(『洛中生息』から)と。

 これは祇園祭の、さらには日本の祭りの本質を言いあてていないだろうか。古来日本人にとって神は、畏れ敬う一方で、親しく近しい存在でもあった。

 では今、後祭が復活するのはなぜか。第一に信仰心である。

 「山鉾風流は神の存在なくしてはありえない。本来の祭りの姿に戻ることに意義がある」と、祇園祭山鉾連合会の吉田孝次郎理事長は力説する。地元にとっては悲願だったが、長く封印されてもいた。交通規制や露店など課題も多く、都市の祭りゆえの「信仰と観光の両立」という宿命があったからだ。

 近年の祇園祭は、週末に重なると宵山の人出が一晩で40万人を超えることもあり、混雑緩和やごみの削減が問題だ。地元では、後祭の復活で日数が増えた分、観光客が分散すると予測。今年は前祭でも露店を減らし、全く出ない後祭では「かつての静かな祭り情緒が戻ってくるのでは」と期待する。

 ◆夜のそぞろ歩きも

 昨年、訪日外国人客数が初めて1千万人を超え、京都市の外国人宿泊客数も初の大台を超え113万人だった。だが、世界的にみれば仏の8千万人などには遠く及ばない。目標達成には、新たな観光地の発掘に加えて既存地のてこ入れ、強化も必要だろう。京都のような観光都市の課題は、集客の平準化やリピーター確保だ。

 芽は既にある。米誌1位の理由として京都の食や文化、芸術の評価が高かったそうだが、近年は滞在型の旅行者が増え、茶道や座禅など体験ツアーの人気も高い。観光ニーズの多様化、観光客のスローライフ化だ。

 あえていうなら、後祭の復活は、古都・京都が提案する「スローな祇園祭の楽しみ方」である。にぎやかな露店は出ないが、ちょうちんの灯を楽しむ後祭のそぞろ歩きはいかがだろう。今年はぜひ、神遊びの精髄を感じてもらいたい。(やまがみ なおこ)

(c)産経デジタル




記事の転載は以上………………………………

本当に勉強になりました。この記事によって、先祭後祭を含めた祇園祭についての理解を、今さらながらですがずいぶんと深める事が出来ました。(長年京都に住んでいても案外知らない事が多い…)

私も今年は是非「スローな祇園祭の楽しみ方」をしてみたいと思っています。











《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》










〈杉浦次郎〉

「スローな祇園祭の楽しみ方」

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