洛中庵 の日記
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小腸の病気
2014.12.03
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めったに見ないサイトなのですが、たまたま開いた今日の「夕刊フジ・モバZAK 健康」のページ。次の記事に思わず目が止まりました。
というのも、記事の内容が最近洛中庵でたびたび話題になっていること(主に私が話題にしているのですが…)と大変関連があったからです。
以下に記事を転載します。
【下痢型過敏性腸症候群 地味にがんばる小腸がダメージ受け消化不良】(2014/12/03 08:30)
ストレスで下痢になる人は多い。その代表格が「下痢型過敏性腸症候群(IBS)」。多くの人は大腸の問題と思い込んでいるが、じつはその手前にある"小腸"が後天的な機能不全に陥っている可能性もあるという。
小腸は、臓器の中でも目立たない存在だ。同じ消化管でも、胃や大腸はストレスがかかるとすぐ悲鳴を上げる。食道なども、飲み過ぎや肥満で胃酸の逆流を受けては救助を求めてくる。そのたびにお父さんは、消化薬を飲んだり制酸薬を飲んだり忙しい。
一方、小腸は全長約6メートルと腸管の中でも最も長いにも関わらず、お父さんに手を焼かせることはない。「生まれてから1度も、小腸のことなど考えたことなどありません」という人は多い。
同様に医療界も、小腸のことを「よくわからないヤツ」と、あまり目をかけないできた。その証拠に、胃カメラは十二指腸まで、大腸内視鏡は大腸の入り口の盲腸あたりまでしか見ない。まん中の小腸については、「あそこはウチの営業範囲じゃないんで…」と、うやむやにしてきたのだ。
そんな不遇の臓器・小腸に、ついに光が当たる時代が訪れた。カプセル内視鏡だ。ごくんと飲めば1秒間に2回閃光(せんこう)を走らせ、隅々まで撮影するこのカメラの登場により、小腸の知られざる苦難が見えてきたのだ。
日本におけるカプセル内視鏡の第一人者、獨協医科大学の中村哲也教授が語る。
「精神的なストレスがかかると、小腸が十分に栄養を吸収できなくなることがあるようなのです。その結果、食べた物の消化が悪くなって下痢になる。下痢型IBSと思われている中には、じつは小腸のストレスによる機能低下が原因となっている可能性があるのです」
従来、小腸にはめったに「がん」はできない-といわれてきたが、カプセル内視鏡の普及で、結構小腸にもがんができることが分かってきたと中村教授は指摘する。
小腸は、長い苦難を耐え忍んできたのだ。小腸に感謝しないと、罰が当たって下痢になりますよ。 (長田昭二)
記事の転載は以上。
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「下痢型過敏性腸症候群(IBS)」は従来大腸に原因があると考えられていましたが、実は小腸がその原因となっている可能性もあるという内容。
ユーモアを交えてさらりと書かれていますが、重要な知見だと思います。また、最近の研究では、小腸は飲食物の消化、栄養の吸収の要であるだけではなく、免疫力の要であることも分かってきました。
そうであるならば、小腸の機能低下は、食物の消化吸収と排泄、栄養代謝に関わる病気のみならず、当然、免疫に関連する数々の病気にも重大な影響を及ぼしている可能性があると考えられます。
記事は大変重要な事を示唆してくれていると思います。
古くからある東洋医学や自然医学の「健康は腸から」という考えにも関連してきます。
小腸にも結構がんができるという内容は、昨日ご来院のAさんがある病院の検診で医師から、「小腸にはがんはめったにできないから検査の必要は無い。」と言われた、と話されていたばかりなので実にタイムリーでした(その医師が何故このような発言をされたのかは、よく分かりません。もしかしたら、小腸のがんを心配して執拗に検査を迫るAさんがめんどくさかっただけなのかもしれません。笑)。
さて、ここからが本題です。小腸の病気については、私はがんや、記事で指摘されているストレスによる機能低下が原因の下痢以外に、もっと注意を払わなければならない重大な病気があると考えています。
長くなりました、続きは次回に。(すみません…)
《 あなたが あなたらしく 輝くように! 》
〈杉浦次郎〉