洛中庵 の日記
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がんの食事療法は効きます!
2011.05.18
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2年と少し前から、洛中庵に於いて、がんの食事療法を指導する機会が増えて来ました。それ以前にも、末期がんの方の緩和治療(治療目的としたものではなく、症状を和らげる事を目標とした治療)は、たまにさせて頂いていました。
緩和治療のついでの様な形で、食事療法の指導もさせて頂いていましたが、私自身に末期がんの方の食事療法の有効性について、今一つ確信がなかった為に、今から思うと随分と中途半端なものでした。
本当に慚愧に堪えません。
現在、洛中庵を中心にがんの食事療法を指導させて頂き、クライアントの症状が大きく改善する度にその思いを強くします。
私のような者と、済陽高穂先生のようながん医療の大家と、同列の様に扱っては、甚だ僭越で大変失礼な事なのですが、済陽先生の著書『今あるガンが消えていく食事 超実践編』の後書き、 《おわりに》の中で済陽先生が、今の私の気持ちと同じ事を書いておられます。(時系列でいうと、私が済陽先生の思いの追体験をしている)
一部抜粋し、ご紹介致します。
「食事療法を指導して、よい結果が出るたびに、これまで助けられなかった患者さんたちのことを思い出します。とくに、従来の三大治療(手術、抗ガン剤、放射線)では救えないようなケースの患者さんが、食事療法を併用して、みごとに生還を果たしたときに。
たくさんの大切な患者さんがいました。親族や友人もいました。あと何年か早く、食事療法を指導できていれば、助かったかもしれない人たちです。だからこそ、食事療法というガンの治療法の選択肢があることを、多くの人に知っていただきたいと思います。
正確には、食事療法は選択肢というより、ほかのさまざまなガンの治療法のベースになるものです。食事療法が万能とは、私も思っていません。しかし、まだ体にじゅうぶんな余力がある早期ガンはよいとして、進行ガンや晩期ガンでは、食事療法という「ベース」なしでは、最初から相当に不利な闘いになることは覚悟しなければなりません。
ー以下省略ー
私も、まったく同じ思いなのです…
なん度も、この日記でも書かせて頂いていますように、生活習慣の改善、中でも食事療法の実践(徹底した)で、ほとんどのがんの予防と治療が可能だと確信しています。
がんの治療中の方や、再発、予防の必要な方が、食事療法を実践される事を願ってやみません(しっかりと、徹底的に…)。 また、医療者、特に医師の中から、がんの食事療法を真剣に学び、実際の治療に取り入れる方が増えていく事を強く期待しています。
現在、私ががんの食事療法の指導にあたって、基本としていますのは、済陽式食事療法(栄養代謝療法)、西式甲田療法、山田豊文メソッド、ジェイン・プラントプログラムなど(他にも、数々の食事療法を参考にさせて頂いています)です。 済陽式食事療法では、他の食事療法と異なり、牛乳、ヨーグルトの摂取を認めています(但し、生産・加工・流通の経路がわかるようにすることを条件にされています=トレーサビリティーが条件)。これについては、私は現在反対の立場で乳製品は一切食事療法に於いて排除しています。(※乳製品を排除している理由については、2010/12/26の日記、"牛乳と乳製品が乳がんと前立腺がんのリスクを高める理由"をご覧下さい)
済陽式食事療法に於いて、牛乳とヨーグルトの摂取を積極的に認めているにも関わらず、乳がんと前立腺がんの治療成績が大変良好なのは、トレーサビリティーを条件にし、高品質の牛乳とヨーグルトを使用する事と、大豆や大豆製品及び、新鮮な野菜と果物(無・低農薬)の大量摂取が牛乳と乳製品による発がんリスクを抑制するのではないかと考えています。この辺りの事は今後の検証課題だと思っています。
済陽先生も著書の中で述べておられるように、がんの食事療法の基本的な部分は確立していて変わらないのですが、細かい部分では今も試行錯誤を繰り返している状態で、研究途上だと言えます。
大切な事は、がんの食事療法の基本的な部分をしっかりと実践すれば、未だ、研究途上だとはいえ、がんの治療と予防にかなりの効果が期待出来る、ということです。
これからも、一人でも多くの方が、がんの痛みや恐怖から逃れ、健康で明るい毎日を送って頂けるように、甚だ微力ではありますが、日々努めて参ります。
〈 あなたが、あなたらしく輝くように! 〉
〈杉浦次郎〉